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②ヨーロッパ・アルプス(ポリュックス)
 
 
 
山行日  2019年8月11日(日)
メンバー  佐々木(慶)、非会員(S.Y)×1名
天 候  快晴~濃霧
行 程  ツェルマット06:30~グレッシャー・パラダイス07:20 発07:50~ポリュックス取り付き10:00 発10:10~撤退決心11:00~グレッシャー・パラダイス15:00
 高度順応と氷河歩行のトレーニングを目的にポリュックス(Pollux 4092m)へ向かう。朝一番のロープウェー狙いで06:00過ぎにツェルマット山麓駅へ到着。一番乗りだった。
 ロシアのスキーナショナルチームやスイスチームが次第に集まり始め、ツェルマッターのガイド達もクライアントと合流し始めた。
 早朝は、混雑緩和のため麓からゴンドラとロープウェーを乗り継いでクライン・マッターホルンのグレッシャー・パラダイスに上がって行く。08:30以降は、ゴンドラだけで上がれるらしい。ロープウェーからはヴァリス・アルプスの朝日に照らされる山群を眺めることができた。
グレッシャー・パラダイスから見たマッターホルン
 グレッシャー・パラダイスに07:20到着。予想以上の強風と寒さ。ダウンを着込んでパートナーとロープを結び合う。ガイドとクライアントの各組が続々と出発して行く。
 07:50私たちも駅舎を出てスキーリフトをくぐってブライトホルンの鞍部へ降りる。初めての氷河歩行だが周りのガイドを観察しクランポンは付けずに歩き出した。所々で小さなクレバスを渡る。
右奥にポリュックス 雪面の皺に見えるのがクレバス
 ブライトホルン一般ルートを登るパーティーは左側(北)に登って行く。ブライトホルン山頂がすぐ近くに見える。
 しばらく進むと、ブライトホルンのハーフトラバースに向かう人々も左側(北)へ別れて行く。ポリュックスへは、緩やかな登り下りを繰り返し、チュザーレ・エ・ジョルジョ・ロッソのビバーク小屋の下をさらに西進する。
 目指すポリュックスと双子峰カストールが近くなってきた。ポリュックス南西岩稜付近にはいくつかの踏み跡があって、ガレとクレバスの嫌らしい地帯に迷い込んでしまう。進みすぎたようだったので少し戻ると簡単に取り付きに至った。
 
カストールとポリュックス(ゴルナーグラートからの眺め)
 
ブライトホルン 鞍部から右(山頂)への縦走がハーフトラバース(ゴルナーグラートからの眺め)
 南西岩稜は出だしの30mがミックスで、その上は雪も氷も無かった。スッキリした尾根を快適に登ることができる。11:00尖岩の核心に近づいた頃、下を見るとガスが湧き始めていた。天気は昼から崩れる予報。パートナーは少し高度障害が出ている様子。無理せず初日はここで切り上げることにした。
 取り付きへ戻った頃には、かなり視界が落ちていた。来るときに見えていた北側の岩峰群は全く見えない。かろうじてクランポン跡を辿りながら、コンパスを出して北西に向かい歩いていることをこまめに確認する。
 パートナーの体調を確認しつつ無理せずゆっくりと進む。視界が良いときは、遠くからクレバスの皺が見えるので安心だが、視程が悪いといきなり目の前に口を開けたクレバスが現れる。
 ルートはかなり山側(北)へ寄ってしまったようだ。行きには通らなかったクレバス脇のトラーバースや大きめのクレバスを処理しつつコンパス頼りで進む。雪も腐り、午前中とは比べものにならないくらい歩き辛い。スキーリフトの支柱が見えたときには大きく安堵した。
 15:00装備を解いてグレッシャー・パラダイスのカフェで長い休憩をとりツェルマットへと戻った。
( 文・写真 佐々木(慶) )
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