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立山・剱岳(別山尾根~早月尾根)縦走の旅 ①
 
 
 
山行日  2019年8月21日(水)~25日(日)
山 域  立山・剱岳
天 候  22日 曇り時々小雨、 23日 曇り時々晴れ
 24日 曇りのち雨   25日 曇りのち晴れ
メンバー  福山 清二 他 1名
行 程  < 8月21日(水)・22日(木)>
 厚狭(23:00)~高速~立山駐車場(10:30)~立山~ケーブル~美女平~高原バス~室堂(11:50)昼食~剱御前小舎(15:50着)(泊)
 <8月23日(金)>
 剱御前小舎(8:30発)~剣御前(9:10)~剱御前小舎(10:00)~別山(10:35)~別山北峰(11:00)~剱御前小舎(11:45)昼食 剱御前小舎(12:45)~剱沢雪渓最上部(14:20)~剣山荘(15:45)
 昨年、白馬三山~不帰の嶮~唐松岳を一緒に縦走した仲間から、今年は立山と剱岳に行きたいと提案があった。剱岳は8年前に別山尾根を単独で往復し、2年前に立山~仙人池~阿曽原~欅平を縦走した際も剱沢小屋に泊まり、日帰り剱岳登山の予定でいたが雨のため諦めそのまま先に進んだ経緯がある。
 近年、ザックを軽くし気楽な縦走に軸足を移しているが今回は2人でもあり念願だった別山尾根~早月尾根の剱岳越え縦走を計画した。
 21日の出発は、外せぬ会議のため22時としていたが更に遅れて23時発となってしまった。近年は900kmもの長距離連続運転の経験が無く、睡眠不足も予想して1日目は無理をせず室堂から1時間ばかりの一の越山荘泊を予定していた。しかし予報が2日目は雨・強風となったため、雄山からの立山連峰縦走は諦めて剱御前小舎に直行し立山は天候次第とすることにした。
 室堂駅で昼食を終えて進み出したら山岳警備隊の臨時窓口が設けられており、登山届提出を呼びかけておられた。用意していた登山届には2日目に別山や立山方面を往復して剣山荘としていたが、天候が悪い予報なので慎重な判断を要請された。
 室堂平に出ると小雨模様で視界はほとんどない状況だった。給水を済ませて剱御前小舎を目指した。
 素敵な“みくりが池”を仲間に体験して欲しかったが展望台からは残雪の池が僅かには見えたものの小雨や霧で立山連峰どころか池全体も見渡せず残念だった。
 地獄谷からの硫化水素臭が時折強く吹く中を進み増水した雷鳥沢を木橋で渡った。雷鳥坂を登り始めたところで突然、霧が晴れて雷鳥平・噴煙を上げる地獄谷・室堂平、更に雄山や大日岳方面、遠くは海岸線も望めた。雨上がりの緑は新緑の絨毯の様で、何度か見た場所なのだが晴れた日では見ることが出来ない絶景に出合い感動した。
雷鳥坂から雷鳥平・地獄谷・室堂平
 雷鳥坂は小石が多く登山路は水路の様で沢登り状態だったものの土ではないので順調に登り、ほぼ予定時刻に剱御前小舎に到着した。
 明日は雨の不安はなさそうだが前線の影響で明後日まで高度3,000mでは風速15mの強風らしいので、立山往復は止め、少しでも展望があれば別山だけ往復し、剱沢雪渓経由で剣山荘に行くことにした。剣山荘での連泊や剱岳越えの再検討が必要かもしれない。山口を車でスタートしてから一睡もしてなかったのでシャワーをして夕食を終えたら直ぐ床に入った。
 翌朝、小舎の女将に「昨夜は強風で小舎も揺れたでしょう、別山が無理なら少し霧も晴れたので剱御前山までなら10分なので登ったら?」と勧められた。
 今まで何度かこの峠を通過した際に、剱御前山からの展望は良いらしいので気になっていたが、いつも先を急いでいて機会が無かった、今回は時間はたっぷりあるので速攻で決め手ぶらで向かった。
 剱御前山頂上からは剱岳はもちろん、室堂平・大日岳、別山・立山連峰遠くは鹿島槍ヶ岳もくっきり見え霧も晴れたのでそのまま剱御前頂上まで進んだ。ここから剱岳は凄く近く、しかも八ツ峰と一緒の堂々とした姿を撮ることができた。
別山乗越の残雪と剱岳
剱御前山から剱岳
 すっかり天候が良くなったので小舎に戻り、コンロや着替え等を預けてザックを背負って諦めていた別山に向かった。
 頂上では長崎からの若い夫婦に会い写真を撮りあった。北峰からの雪渓を携えた剱岳は一段と素晴らしく写真を撮り続けた。
 北峰から硯が池を経由して戻っていると5羽のヒナを連れた雷鳥に遭遇した。3年前に南アルプスで遭遇して以来、久しぶりでビデオでも撮った。硯が池はさざ波をたてながらやや秋の気配を感じさせた。もうすぐ豪雪に覆われるのだろう。この硯が池(2,860m)は御嶽山の山上にある“二の池“に続き、日本第2の高所にある水の枯れない池だそうだ。
別山からの剱岳
別山 硯ヶ池付近の雷鳥
別山頂上近くの硯ヶ池
別山から立山連峰、手前は残雪の真砂岳
 
別山から鹿島槍ヶ岳・爺ヶ岳
 再び剱御前小舎に戻り温かい肉蕎麦を昼食で頂いた後、予定通り日本三大雪渓の一つである剱沢雪渓に向かった。
 剱沢雪渓は剱沢小屋(2,500m)より更に下った2,200m地点から始まり真砂沢ロッジ方面に続いている。2年前にこの雪渓を仙人池方面に縦走した際は両方の峰は霧で覆われて全く見えなかったが今回は峰の先端まで見え迫力満点だった。
 
剱沢雪渓の最上部付近
 雪渓に降りて確認した後、水量の多い滝の側を通って再び剱沢小屋まで登り返し剣山荘に入った。剣山荘は8年前にも利用したが、とても綺麗で食事も対応も良かった。悪天候の予報だったせいか8人の部屋に2人だけだった。約50人の宿泊者は全員明日剱岳登山の方々のようだった。
 まとめ
今回は剱岳登山だけでなく、別山尾根から頂上を経て早月尾根を下る縦走で計画していたので天候を大変心配していたが、どうにか予定通りに進めそうで安心している。明日、明後日を絶対事故無く歩き切ろう。
( 文・写真 福山 )
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