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十方山大谷左俣(太田川水系) |
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山行日 |
2019年9月14日(土) |
天 気 |
晴れ |
メンバー |
大石、内田 |
行 程 |
山口~山口IC~吉和IC~十方山登山口8:00~大谷出合8:15~入渓8:30~620m付近二俣9:00~大滝9:25~920m付近二俣11:30~登山道12:15~十方山頂12:25~瀬戸の滝13:40~登山口14:00~吉和IC~山口IC~山口 |
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昨年、広島の岳人が十方山の大谷左俣に入った時の記録を見た。三浦さんの本には載っていない沢で、大滝を登攀する様子が強く記憶に残っていた。以来、密かに時期を見計らっていたが、いよいよ今回、準備を整えて行ってみることにした。 |
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大谷出合に荷物をデポした後、十方山の登山口に駐車して軽くジョギング。朝の気温は大分涼しくなっている。装備を身に着けてから入渓した。水量は平水程度と思われる。
620m付近の二俣までは、特に難しい箇所はない。相変わらず水はきれいだが、今日はそれが寒々しい。できるだけ水に浸からずに進み、二俣で左俣に入った。大谷の左俣に入るのは初めてだ。
左俣に入ってもしばらくは特筆すべきポイントはなく、渓相を楽しみながら遡行を続ける。途中、水量の少ない大きな滝が右岸の支沢にかかっていた。
突然、岩壁がせり出した奥に立派な直瀑が現れた。高さは15mから20mの間くらいだろうか。両岸の岩に抱かれるようにして、落口から飛沫を上げて流れ落ちている。高さもあるので、かなりの迫力だ。 |
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大谷左俣の大滝 |
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一瞬、登れるかどうか不安になるものの、覚悟は決まっている。じっくり観察してラインを探ってから、滝に取り付いた。水流の直撃を避けるため、目論見通り滝の右寄りを登ったが、上から落ちてくる飛沫は避けようがなく、頭からシャワーを浴びる登攀となる。
飛沫のため視界は悪いが、水流の中にもクラックがある。そのまま右寄りを直上し、最後は、水流を受けながら落口直下を右から左へ横切ることとなった。ようやく無事に落口の上に抜けた後、しばらくの間、身体の震えが止まらなかった。これ以上、水温が低くても、水量が多くても、登ることはできなかったと思う。ひるまずフォローで登ってきた大石と喜びを分かち合った。 |
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大滝をシャワーで登る |
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大滝を越えた後も、すぐに立派な斜滝が現れる。
ロープを出そうとするが、大石はフリーで取り付いた。いつの間にスキルアップしたのだろうか、慎重だが危なげのない足さばきで、滝の左寄りから最後は真ん中へ抜けていった。お見事! |
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斜滝をフリーで越える大石 |
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その後も滝は続く。次に出てくる滝は落口から末広がりで水が流れている。一番右寄りの水流沿いを登り、上部でカムを決めてから右岸へ移った。 |
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次の斜滝は一番右の水流沿いを登った |
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初めての沢なので、この先に何が出てくるかワクワクしながら遡行を続ける。しばらくすると、見るからに難しそうな滝が現れた。中間のテラスから上が悪そうで、支点が取れるかどうかも分からない。 |
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見るからに難しそうな滝が現れる |
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それでも、取り付いてみると、落口付近の様子は見えないが、行けないことはなさそうだ。テラスから水流の左寄りを登り、落口に抜けた。カムを2か所で使用。 |
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水流の左寄りから突破した |
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その後も小滝を越えながら進むと、920m付近の二俣となる。
両俣の入口には小滝がかかっている。左へ行けば登山道には近いが、せっかくなので右俣へ進む。次第に水流は細くなるが、さすが十方山の沢だけあって、かなり上まで水が途切れない。最後は少しばかり笹を漕いで、登山道に飛び出した。 |
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夜920m付近の二俣 |
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ここまで来たからには、迷うことなく山頂へ。山頂にはキノコ鍋パーティーをしているグループもいた。いろんな楽しみ方があるのも山の良さだと思う。帰りは瀬戸の滝に寄ってから、登山口まで戻った。 |
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達成感に満ちた山頂 |
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トラック図(十方山大谷左俣) |
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十方山にこんな素晴らしい沢があるとは知らなかった。心癒される渓相は似ているが、右俣とは対照的にかなり登攀的だ。左俣大滝の初登者である広島の岳人の心意気に改めて敬意を表したい。 |
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(文:内田 ・ 写真:内田、大石) |
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