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パタゴニアトレッキングA(エル・チャルテン)
日 時  平成23年12月31日(土)〜平成24年1月11日(水)
形 態  ハイク
メンバー  中村(直)
行 程  [12月31日(土)]
終日 プエルト・ナタレス(チリ)滞在 バスの確保等を行う

 [1月1日(日)]
8:45 プエルト・ナタレス発  =バス=> 14:20 エル・カラファテ(アルゼンチン)着

 [1月2日(月)]
8:00 エル・カラファテ =バス=> 10:35 エルチャルテン公園管理事務所(レクチャー)
=バス=>
11:10バス停 → 11:35 ロス・トレス湖方面登山口 → 12:55〜13:30
 カプリ湖キャンプ地(昼食)→
14:40 ポインセノットキャンプ地(テント設営)

 [1月3日(火)]
4:30 キャンプ地発 → 5:00〜8:15 ロス・トレス湖展望台 → 
9:10〜14:50 キャンプ地(昼食・昼寝) → 16:10 ピエドラス・ブランカス氷河
 → 17:15 キャンプ地

 [1月4日(水)]
7:45 キャンプ地発(撤収) →10:15 エルチャルテン=トーレ湖ルートに合流 → 
11:05〜13:40 デ・アゴスティーニキャンプ地(昼食・テント設営) → 15:05 
マエストレ展望台 →
16:15 キャンプ地
 
 [1月5日(木)]
5:30〜6:30 トーレ湖畔散策 7:50 キャンプ地発 → 10:20 エル・チャルテン
(トーレ湖方面登山口)に下山
13:00 エル・チャルテン発 =バス=> 15:50 エル・カラファテ着

 [1月6日(金)]

11:10〜20:45 ペリト・モレノ氷河(アルゼンチン)トレッキングツアー

 [1月7日(土)]
12:00 エル・カラファテ発 =飛行機=> 14:50 ブエノスアイレス(アルゼンチン)着


 [1月8日(日)]
日中 ブエノスアイレス観光 23:15(現地時間=日本時間ー12H) ブエノスアイレス発
 =飛行機=> 

 [1月9日(月)]
22:15〜翌日1:30(現地時間=日本時間ー6H) ドーハ(カタール)乗継

 [1月10日(火)]
=飛行機=> 16:30 関西空港着 =電車=> 19:10 フェリーターミナル駅
 =徒歩10分=>
19:50 大阪南港フェリーターミナル発 =フェリー=>

 [1月11日(水)]
=フェリー=> 8:30 新門司港着 =送迎バス=> 門司駅 8:50 =電車=
> 10:30 南小野田駅 帰宅
 1.概要
 今回のパタゴニアトレッキングのメインだったパイネ国立公園が火災で閉鎖されたため、当初1泊2日の予定にしていたフィッツロイ山域のトレッキングを3泊4日に引き伸ばして計画を練り直すことにした。
 アルゼンチンのロス・グラシアレス国立公園の北側の玄関口エル・チャルテンの町を起点に、フィッツロイ山を望むロス・トレス湖とピエドラス・ブランカス氷河を回った後、セロ・トーレ山を望むトーレ湖に行き、エル・チャルテンに戻るルートを計画した。
エル・チャルテン周辺移動経路。現地で購入した地図に移動経路の概略を描画
 パイネの火災の影響でトレッカーや観光客が続々とアルゼンチンを目指したため、移動手段の確保に苦労したが、運良くバスのキャンセルが出たためチリでの足止めは1日で済んだ。
 2.行程(以下すべてアルゼンチン)
 [1月2日(月)一日目]
 
 8:00 エル・カラファテのバスターミナルからエル・チャルテン行のバスに乗る。出発前に臨時の検問があり、警官にパスポートをチェックされる。ときどきこういうことがあるようだ。
 10:35 エル・チャルテンの公園管理事務所で降ろされる。入園料は取られず、レンジャーによる注意事項の説明を受ける。ジョークを交えつつ水場の使い方やトイレの場所、危険動物(大型のシカ)について教えられる。
トレッキングに当たっての説明を英語でするレンジャー。左上に危険なシカの写真。
 11:10バスターミナル着。ロス・トレス湖方面の登山口は町の北はずれにあり、かなり歩く。天気は良く、風もないが、フィッツロイ等の山塊方面は雲がかかっている。
 11:35登山口(標高500m) さっきまで乗っていたバスが近くに止まっておりバスに残っていれば送ってくれていたことが判明する。
登山口にある地図と注意書き。言葉が分からなくても理解できるようになっている。
登山道の様子。遠くで雲がかかっている岩がフィッツロイ山
 13:00 カプリ湖畔で昼食、湖は水が澄んでいてそのまま飲用に使えた。

 14:40 ポインセノットキャンプ地着。テントを立てていると、ロス・トレス湖方面から見覚えのある人が来る。パイネで出会った日本人のNさんだった。再会を喜ぶ。
 Nさんはチレーノ小屋で私と別れた後すぐに火災の悪化を知り、その日のうちに下山したとのこと。その時に出会った若い日本人のI君と一緒にロス・トレス湖まで行ってきたが、天気が悪くフィッツロイ山は見えなかったそうだ。
 その後、もう一人日本人が声をかけてきたので4人で夕食を持ち寄りながら、旅や山の話をして過ごす。翌日の早朝、一緒にロス・トレス湖まで登ることにして就寝する。
 [1月3日(火)二日目] 
 
 4:00 前日の約束どおり日本人4人で出発。5:05 ロス・トレス湖(標高1200m)着。まだ暗いがフィッツロイ山ははっきり見える。時間もたっぷりあるので写真撮影会。風は弱いが寒さが堪える。同行者にホッカイロを分けてもらう。
7:30頃撮影。右の大きな山塊がフィッツロイ(3405m)その左がポインセノット(3002m)陽があたって美しく輝く。
 氷河の上を動く数人の人影が見える。頂上をアタックするクライマーだろうか。

 9:10 キャンプ地。朝食を食べた後、他の日本人はそれぞれ出発。私はそのまま昼寝と昼食。
 14:50キャンプ地発 16:10ピエドラス・ブランカス氷河着 大岩群を乗り越えるのに苦労しながら進んだ。
ピエドラス・ブランカス氷河直前の大岩地帯。ボルダリングの経験が役に立った。
 17:15 キャンプ地帰着
 [1月4日(水)三日目]

 7:45 テントを撤収してトーレ湖方面へ出発。森と湖と草原を縫いながら進んでいく。朝早いせいか、誰とも会わない。日本での山行に比べてかなり遅い出発だが周りの動きは鈍く、テント場を出た時もあちこちからいびきが聞こえていた。

 11:05 デ・アゴスティーニキャンプ地着 テント設営。Nさん他1名とまた合流する。昼食を食べながら北海道の山の話を聞く。二人はその後下山。

 13:40 キャンプ地発 比喩ではなく本当に吹き飛ばされそうな風の中トーレ湖畔沿いの尾根道を進む。セロ・トーレは雲で見えないが代わりに山の方角から猛烈な吹きおろしを浴びる。時々座り込んでしのぐ。足を踏み出した瞬間に体を持っていかれて3回程「飛ばされた」。
15:05 道の崩落や複数の巻道のせいで道迷いもしつつマエストレ展望台に到着。踏み跡が少ないのであまり人が来ないようだ。氷河が間近に見える。
マエストレ展望台から。
 道が分かりにくいのと、強風のためここまで来る人はあまりいなかった。地図で見る限りセロ・トーレの展望もできない位置にある。
 16:00 キャンプ地に戻る。
トーレ湖畔に流れ着いた氷河の氷で割ったウイスキーを飲む。強風で湖水が跳ね上げられシャワーのようだった。
 [1月5日(木)四日目]

 5:30 トーレ湖畔。天気悪くセロ・トーレはついに見られず。
 7:50 キャンプ地出発 しばらく見通しのいい平原が続いた後、丘を登り、その後急な下りが続く。1箇所だけ鎖場があったが、鎖がなくても通過できる程度だった。
 10:20 エル・チャルテンに下山

 下山後町でビールを飲んでいたら天気が回復して、セロ・トーレ・フィッツロイ共によく見えた。残念ながらタイミングが合わなかったようだ。
帰りのバスから。中央の尖塔状の峰がセロ・トーレ 右半分がフィッツロイ
 3.帰国まで
 6日は現地ツアーに参加してペリト・モレノ氷河のトレッキングを行った。かなり古いタイプのアイゼンをレンタルし氷河の上を歩き回った。
 7日エル・カラファテから飛行機でブエノスアイレスへ移動。
 8日23:15ブエノスアイレス発 10日16:30関西空港着 帰りも29時間かかった。

 19:50大阪南港発フェリー 久しぶりのシャワーだけではない風呂を楽しむ。

 11日8:30新門司港着 10:20 帰宅
 4.感想
 
 もともと1泊の予定の所を無理に引き伸ばしたので、かなり楽な山行となった。以前からのんびりした山旅がしたいと思っていながら性格のせいかできずにいたので、図らずも念願がかなった形となった。
 パイネ、エル・チャルテンともに空気が乾燥しており、風で舞い上げられた砂がテントやザックをよく汚した。手で払えばすぐにきれいになる所にも気候の違いを感じた。

 今回の旅全体を通して、海外に山の道具を持ち出すときの注意点や食料調達・準備の仕方、情報収集の仕方などを学ぶことができ、将来の本格的な海外登山へ向けたいい経験ができたと思う。
 飛行機での荷物については、ザックの外にスティックをつけて預けようとすると航空会社がかなり嫌がることが分かったので、今後対策を考えたい。
 ガスについてもかなり敏感でストーブの着火装置にガスを使っていたら没収すると言われて調べられたこともあった。機内持ち込みの荷物大きさ・重量制限については、機内の混み具合で運用が変わってくると聞いた。

 情報収集については、語学力は顧ずに、とにかく聞いて回ることが大事と思った。
 食料については、パタゴニアでは大抵のものは手に入るが、インスタント食品の充実度は日本の方が圧倒的に優れていた。チリは穀物・肉類・乳製品・果物の持ち込みに厳しい(しかも検査官の気分次第)うえに、見つかると問答無用で罰金を科されるが、持ち込み制限に掛からない範囲で日本で用意できるものは用意した方がいいだろう。
 
( 文・写真 中村(直) )
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