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室堂~薬師~黒部五郎~新穂高 縦走(富山県~岐阜県~長野県)
その② スゴ乗越小屋~薬師岳~黒部五郎岳~黒部五郎小舎
山行日  平成27年7月20日~21日
メンバー  福山 清二
行 程  7月20日(スゴ乗越小屋~薬師峠キャンプ場):天候 晴れ
スゴ乗越小屋 5:00~間山7:00~北薬師岳9:50(昼食)~11:30~薬師岳12:30~
薬師岳峠キャンプ場15:30(泊)

7月21日(薬師峠キャンプ場~黒部五郎小舎):天候 晴れ
薬師岳峠キャンプ場4:40~太郎平小屋5:20~北ノ俣岳8:30~黒部五郎岳の肩13:40~
黒部五郎岳14:00~黒部五郎小舎16:50
 スゴ乗越小屋2階の宿泊者は、上段は0人,下段は9人で多くはなかったが、他の人が夕食中にザックの入れ替えをほぼ終え、翌朝は3時に起床するとすぐにザックを持って小屋前の調理場で朝食づくり、4時半過ぎには出発準備を完了した。
  天気は今回の縦走で初めての晴れ、気持ち良く標高2,264mのスゴ乗越小屋を出発した。しばらく進むと照り付ける太陽、汗びっしょりの顔の周りを飛び続けるブトなどの虫には閉口した。しかし、登り始めてすぐに、昨年10月に縦走した野口五郎岳~烏帽子岳の裏銀座の山系が見え、冬季小屋を利用させてもらった野口五郎小屋だろうか、太陽を反射して光っていた。
 しばらくして稜線に出ると心地よい風とともに虫たちも退散してくれた。ハイマツと雪渓、岩稜の急登が現れた。気持ちよく更に登ると斜面の半分以上に雪渓を蓄えた凛々しい山が現れた。薬師岳だと思って写真を撮ったがまだ間山にも到達していない。北薬師岳の堂々とした姿だった。
凛々しい北薬師岳
  展望の良い間山でしばし休憩して更に様々な岩のルートを乗り越えて進むと北薬師岳に到着した。ここで昨日から時々言葉を交わした2人組のパーテ-と一緒になり薬師岳を背景にして写真も撮ってもらった。
 10時になり、ガスが使える場所もあったので2人組と別れ360度の大展望を満喫しながら北薬師岳頂上で長めの昼食休憩をとった。
堂々として雄大な薬師岳
 右下に真っ青な水を貯えた有峰湖を見下ろし、広大な山塊にハイマツの群生とその間に残る雪渓に見ほれ、左側には北薬師岳より更に規模が大きく大雪渓と言うより頂上付近など一部を除き全てが雪渓の薬師岳はいかにも堂々として雄大だった。
 しばらくして薬師岳頂上に到着、北薬師で話したパーテ-は既に下山されていたが薬師岳山荘や薬師峠キャンプ場、太郎平小屋泊と思える若者グループ、老若を問わず多くのカップルや単独登山者が軽装で頂上往復をされていた。
 薬師如来像の祠の前で写真を撮ってもらった後、すぐ下に見える薬師岳山荘を越え、その向こうに見える太郎平小屋の手前にある薬師峠キャンプ場を目指した。
薬師岳頂上にて
手前は薬師岳山荘、その奥に太郎平小屋その左の雪渓ルートが明日の縦走コース
 大小の石がゴロゴロして歩きにくい登山道、軽装の登山者は結構スピードを出しているが20kgのザックを背負っているとバランスがとりにくくゆっくりペースで下山した。
 それにしてもこのルートの往復だけではあの雄大でダイナミックな薬師岳は感じられず、間山~北薬師岳~薬師岳の素晴らしいコースと全く違う。スケールは大きいがもったいない、このルートでも薬師岳を越えて北薬師岳まで往復されれば全く違うのにと要らぬ心配をしながら下山した。
 薬師平を過ぎると登山道が突然沢となった、知床の斜里岳の沢を思い出した。危険箇所はないものの段差の大きな箇所が多く、キャンプ場に着いたのは15時30分だった。テント場料金700円を払い、冷水に浸したビールを600円で購入、テント場所でまず乾杯した。
 テントの数は30弱、管理人が今日は暇だと言っておられたが昨日は75張で大賑わいだったらしい。私のように金曜日から木曜日まで歩く者には曜日感はあまりないが、昨日は日曜日ながら3連休の真ん中、今日は連休最終日、天候は抜群だがテントが少ないのに納得した。
 水場とトイレは100mばかり離れたところにあるがどちらも清潔で感じが良かった。今晩はパスタがメイン料理、パスタを茹でる1Lの水を運ぶのが面倒なので水場近くで茹でた。
 五色ヶ原山荘は素泊りだったから夕食と朝食、スゴ乗越小屋は1泊夕食だったので朝食を作ったが、行動途中の昼食や行動食は予定した程は減らずザックの食糧は余り気味、昨年の苦い教訓から美味しい食に努めたが食欲は大きくは変わらなかった。
 翌朝は4食目のチャーシュー麺、残りの生ねぎとチャーシューを全部入れ美味しく頂いた。
 今日は黒部五郎小舎まで約13kmを踏破しなければならない。予定より少し遅れたが4時40分に出発した。太郎平小屋が見える頃に黒部五郎岳に朝日が映り、なんと左側には朝霧を従えた槍ヶ岳穂先の雄姿が望めた。
朝日に輝く黒部五郎岳、左に槍ヶ岳
 周囲の花々、広大で気持ちの良い早朝の大自然を満喫して歩いた。
 太郎平小屋付近では多くの登山者が楽しんでおられたがあいさつだけで通過した。少し進むと雲海の向こうに富山市街が、そして西の方角の雲海の上に多数の雪渓を頂いた峰々が見えた。恐らく100km程先の白山に違いない。
 高度を上げる程に新しい山々が見えだした。目の前に雄大な薬師岳その左に剱岳など、元気でこんな素晴らしい空間を満喫させてもらっていることに感謝しながら歩いた。
 しばらくして更に展望の良い場所に出た。なんと黒部五郎岳の右にくっきりと笠ヶ岳の雄姿、その右に横に長い雪渓を貯えている、今から進む北ノ俣岳方面には雪渓と登山道周辺のお花畑、本当に雄大で素晴らしい空間の連続だった。
 しばらくして北ノ俣岳に着いた。素敵だから途中で何回も写真を撮ってきたが、ここが最高。
 今から登る堂々とした黒部五郎岳、その右に笠ヶ岳、その右に乗鞍岳、更にその右奥に雲を貯えた御嶽山、西の方角の雲海の上に出た白山、その右は富山市街その右は剱岳、そしてその右は昨日縦走した薬師岳の堂々とした姿。360度の大展望を堪能して改めてカメラに収めた。
     
前方に笠ヶ岳、乗鞍岳、御嶽山
     
振り返ると薬師岳、その左に剱岳
 ゆっくり登って行くと突然大展望に出た。黒部五郎岳の肩だった。
 見下ろすと大小の岩が散らばる黒部五郎岳の大カール、左に水晶岳・鷲羽岳などの峰々、右は雪渓を貯えた岩峰、黒部五郎岳の山頂、ザックを置いて頂上に登ると単独の青年が1人だけ、写真を撮って貰っていたら、もう1人の青年が登ってきたのでしばし歓談。一人の青年は小舎からカールを登って来たので帰りは稜線ルートと言っていた。
 私はもちろんカールルート、頂上からはすぐ下に見えた黒部五郎小舎だが結構時間がかかり小舎到着は17時直前だった。
     
黒部五郎岳頂上、後は水晶岳・鷲羽岳
     
頂上からの大カールと峰々
 まとめ

 黒部五郎岳と薬師岳は北アルプスでも登山口まで遠く、更に大きな山なので自分には登る機会は無いと諦めていた山だったが、この2つの山を登るには距離と時間はかかるが縦走しかないとなった次第。その大きい2峰を最高の天気の下、2日間で元気に縦走できたことに感謝している。
 どちらの山も、ほぼ全方向から十分楽しめたことは一生忘れられない山行になった。
( 文・写真 福山 )
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