HIKING RECORD 山行記録
HIKING RECORD
山行記録
大山 山行報告書
| 日付 | 2025/11/22 |
|---|---|
| 天候 | 晴れ |
| メンバー | 藤本(淳)、鹿野 |
| 行程 | 11/21 19時過ぎに山口出発、国道9号線をメインで移動し、24時に麓の道の駅にて仮眠 11/22 県営大山第一駐車場(8:13)~川床登山口(9:04)~甲ヶ山(15:41) ~ビバーク地(17:30) 11/23 ビバーク地(7:00)~矢筈ヶ山(8:13)~大休峠避難小屋(9:30-10:00) ~野田ヶ山(11:30-12:00)~親指ピーク(12:47)~野田ヶ山(13:30-13:50) ~大休峠避難小屋(14:30-15:00)川床登山口(16:35) ~県営大山第一駐車場(17:21)~ 米子東IC~山口南IC 11/24 2時山口着 |

2日前に大山は降雪があった。もともと冬山前のトレーニングとして計画していたが、積雪の朗報に期待を膨らませ入山する。弥山山頂付近は、積雪が20cmだそうだ。今回のコースは、弥山には登らず、以前から気になっていた「親指ピーク」を川床から入り、宝珠尾根を下るコースを考えていた。しかし、思わぬアクシデントの連続で大休峠からエスケープすることになった。
大山は「美しい」けど「厳しい」を、再び味わうこととなる。
雪化粧した大山北壁を仰ぎ、県営大山第一駐車場を出発する。振り向けば紅葉が美しい。
11月に大山を訪れたことはあまり記憶にないが、今年は紅葉が遅かったのもあり、新雪と紅葉を同時に鑑賞するという、偶然の大山の美しさに浸りながら川床登山口へと向かう。
登山道に入ってからの、約20kgの重量は私の歩行速度にブレーキをかけた。1.5kg位を藤本に持ってもらい、なんとか彼女のスピードについていけた。甲ヶ山の直登ルートをゆっくりと登っていく。残雪期のように、積雪はところどころ斜面に残っていた。降雪後は、晴天が続いているせいで、まるで乳牛の斑点模様ではあるがもっと白い部分が多いかな?どんどん高度を稼いでいくが、途中で左に出て行くところを見失いしばらく藪をこぐことになった。雪で足元が滑り悪戦苦闘で、慣れていない藤本は「もー、モー、モォ~!」の連発。聞こえぬふりして黙々と前進し、何とか軌道修正し登山道に合流したところでへたり込む。倍近いコースタイムとなり、体力も消耗した。ここからは、文字通りの牛歩となった。牛ヶ山ではなく、甲ヶ山の頂上を目指し岩稜帯を越えていく。シートベントで簡易ハーネスを作りいざという時に備える。2箇所、岩を這い上がるところでスリング確保する。山頂へ到着。
ここで、アイゼン、ピッケルとハーネスに装備を切り替え、慎重に甲ヶ山の長い下りを、まるでアイゼントレーニング実践で下降していく。重量が肩に食い込むのと、バランスを取るのに苦労しながら緊張が続く。下降ルート上には、ほとんど着雪は無かったが、途中でのアイゼン装着は不可能と判断した。懸垂下降の方が安全、且つ早かったかもしれなかった。日没が近くなって来ているが、あせらずゆっくりと確実に行動した。トラバースにかかり、なだらかな尾根とようやく合流した。弓ヶ浜の地平線は、すっかり夕焼けで赤く染まっている。体力、気力も限界。ここをビバーク地とする。満天の星空で最高の夜を過ごせた。思ったより風もなく、ツエルトも寒さを感じさせなかった。赤ワインで労をねぎらう。熱々の鍋に肉たっぷりで、しめは「サトウのごはん」で雑炊。最高のメニューで体力を回復させ就寝する。
5時起床、朝食は、パンとカップ麺ですまして早々に外に出る。日の出がすばらしい。
最高のビバーク地を後にし、矢筈ヶ山へ向かう。矢筈ヶ山の下りは、少し緊張する場所があったが、甲ヶ山の下りと比べるとなんてことはない。あっという間に大休峠避難小屋に着いた。計画ではここが宿泊予定地だったのだが…。環境に配慮して、我慢していたトイレに行くも我慢し過ぎで、私のお腹は張っているのにほとんど出てくれない。最悪の状態で野田ヶ山へ向かう。お腹の不調が原因かどうかはわからないが、またもや私の歩行速度にブレーキがかかった。藤本についていけない。あきらかにこのペースだと日没までに予定のコースで下山することは無理と判断し、予定を変更する。留守宅本部へ下山時刻が遅れることと、その旨をショートメールで連絡を入れた。
野田ヶ山に荷物をデポし、やせ尾根をたどって親指ピークまでをピストンすることとし、当初の目標である「親指ピーク」の偵察を実行、大休峠まで戻り川床登山口へ下山することで合意。念願の親指ピークで記念撮影し、目前に迫る、ユートピア避難小屋に未練を感じつつも、野田ヶ山へと引き返す。念のためアイゼン、ピッケルの装備で行動したが、凍結箇所もなく夏靴やアイゼン無しでも行動できる状態であった。積雪の状況によっては、ロープ使用も必要と感じた。川床登山口から県営大山第一駐車場までは、乾いた舗装道路で冬靴での歩行はつらかった。荷物を置いて車を取りに行くが、ペースが上がらず藤本に先に行ってもらう。車で引き返してきた藤本にピックアップされ、荷物を取りに再び川床登山口へ向かい荷物を回収後、帰路についた。
反省点として、歩荷力の低下を痛感させられた。冬山に備えて強化?したいところであるが、どこまで体力を復活させることができるか…軽量化も課題となった。
今の自分の体力、力量を確認できたことが一番の成果だったかもしれない。気持ちだけでは山は登れない。またひとつ、大山が教えてくれた…大切なことを!
(登攀装備)
使用した装備;ヘルメット、ハーネス、スリング数本、カラビナ数個(安全環付含む)
未使用の装備;ビレイデバイス、プルージックコード、50m×8mmハーフロープ1本












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(写真14 親指ピーク…こんな感じです)
| text | 鹿野 |
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| photo | 藤本(淳)、鹿野 |

