HIKING RECORD 山行記録
HIKING RECORD
山行記録
屋久島フリーウェイ
日付 | 2025/05/02 |
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天候 | 晴れ |
メンバー | 有松 林 長弘 |
行程 | 【屋久島フリーウェイ 12ピッチ 5.10d】 千尋の滝駐車場 4:00発~取付き 6:00~ 4ピッチ終了時 8:30~8ピッチ終了点 11:30~本富岳頂上 14:30 |

屋久島は島の20%以上が世界自然遺産に登録され、原生林の残る自然豊かな島。
そんな屋久島で12ピッチものマルチができるとのことでずっと登ってみたかった。
メンバーは3人。リードを交代しながらのクライミングを楽しんできました。
【取付きまでのアプローチ】
取付きまでの間にピンクテープ、赤いビニテやテーピングシールが随所に巻いてあるが少しわかりづらい。前日に取付きまでの道のりを歩いて確認した。
【1P目=5.7 35m ボルト1本】リード:林
三角岩左側にある草付きの凹角を登る。
【2P目=5.10d 25m ボルト10本】リード:林
2日前に降った雨で登攀ラインがほぼ濡れている。
濡れているところは迷わずA0で。
ボルト間隔は比較的近い。
セカンドの有松、長弘はA0&ゴボウ祭り。
背負ってきた水3~4Lが重い...
【3P目=5.10b 35m ボルト10本】リード:林
ホールドの少ない凹角を登る。
2P目が辛すぎたせいか、このピッチのグレードが5.8くらいかと勘違いしたとのこと。
セカンドの方は、スメアで乗せた個所がいつズズッと滑るかヒヤヒヤしたピッチ。
振り返ると、太陽と水平線。目の前は聳え立つモッチョム岩壁。
先行、後続パーティもいない。
特別な空間に身を置いていると感じた。
【4P目=5.8 45m ボルト6本】リード:林
序盤はやさしいフェース。
中盤にクラック、のはずだがそのクラックは草付きで埋め尽くされていた。草をつかみながらガシガシ上る。
ブッシュのバンド帯を突っ切って左側の立木でビレイ。
【5P目=5.10a 25m ボルト2本】リード:長弘
カム#2~3 各1
まるで沢登り、というくらいに水が滴るクラックを登る。
カムエイドとハンドジャムを上手く使って突破した。
トポではボルト2本とあるが1本ハンガーが欠損していた。
カムを持ってきて良かった。
【6P目=5.9 30m ボルト8本】リード:長弘
ビレイポイントから左に回り込み、ハング下をトラバースする。
ここでも染み出しがあり、緊張のトラバース。
トラバース後は傾斜の緩いスラブを直上。
草付きが発達していて草をつかみながら登る。
この部分はかなりランナウトしている。
【7P目=5.10c 40m ボルト20本】リード:長弘
中間部の核心ピッチ。
写真の場所が核心部だが濡れている。
A0するのも難しいくらいボルトの間隔は広め。
カチホールドを握りしめて気合のクライミングで突破した。
7P目終了点手前のボルトが欠損しているため10m以上のランナウト。
スラブの傾斜は緩いがリードはかなり怖かったと思う。
【8P目=5.10a 45m ボルト4本】リード:長弘
ビレイ点から左に回り込んで凹角に群生した藪をつかみながら登る。
目前の傾斜の落ち着いたスラブを直上する。
ブッシュ帯を突っ切ったところにビレイポイントがある。
【9P目=5.10a 25m ボルト10本】リード:有松
重い荷物から解放され、いよいよ自分のリード。
手も足もカチホールドがある緩いスラブ。
【10P目=5.10c 35m ボルト25本】リード:有松
傾斜の強いスラブ。
岩の粒子が荒く、踏むとジャリッと崩れる音がする。
ボルトを1個飛ばしでランニングをとり、ヌンチャクを温存した。
終了点手前5mが核心か。
【11P目=5.7 30m ボルト3本】リード:有松
草付きのバンドを突っ切ると1本目のボルトが見える。
ランナウトしているが傾斜が緩いので簡単。
【12P目=5.9 30m ボルト6本】リード:有松
カチも何もない、のっぺりしたスラブ。
ボルト1本目が6m上にあるので絶対落ちたくない。
自分のピッチの中で一番ヒヤヒヤした。
藪に突っ込んで適当な立木でビレイ。
【本富岳山頂】
20m程の藪を漕いで山頂へ。
時刻は14:30。1時間ほど山頂でゆっくりして下山。
途中曇り空で気温が上がらなかったため、水は一人1L程度しか飲まなかった。
明日の予定は千尋の滝右岸スラブを登る予定だったが、
展望所から遠目で見てもスラブはビショビショ。
アプローチの吊り橋への道も土砂崩れにより通行禁止。
予定を変更して瀬切ボルダーに行くことに。
屋久島の登山ショップ『山岳太郎』さんで、トポ図を購入。
ボルダーマットもレンタルして海エリアへ。
波で削られた大きな岩がゴロゴロと点在している。
まさにボルダー天国。
山エリアでの奇跡の1枚。美しい構図。
昨日に続き、この日もクライミング三昧。
キャンプ場から望む本富岳。
見る方向によって、あるモノに見えるようだが。
想像力が足りず、よくわからなかった。
次の日も帰りのフェリーの時間まで、宮之浦港近くの『クライミングジムVIVA2』さんに2時間ほどお邪魔させてもらいました。
サンキュー屋久島!
【長弘コメント】
今回屋久島にクライミングで訪れることになるとは。
自分の短いクライミング歴の中でも最大の挑戦になりました。
12P、長かったけど太平洋の絶景の中でクライミングできたことは貴重な経験です。
パーティの皆に感謝!
サンキュー屋久島!
【林コメント】
長年行きたいと思っていた屋久島のクライミング。
最初から最後まで完璧でした。
皆に感謝です。
サンキュー屋久島!
text | 有松 |
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photo | 有松 林 長弘 |