HIKING RECORD 山行記録

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山桜咲く大海山を訪ねて(月例山行)

日付2024/03/31
天候曇り
メンバー石井 江本(正) 鹿野 林(竜) 園山 有松 藤本 長弘 叶 斉藤(宗)  斉藤(滋)  田中(山口山岳会) 会員外3
行程千防川砂防公園駐車場(8:00)~行者山(8:30-8:40)~30番札所(9:55-10:05)~立岩展望所(11:00-11:10)~大海山山頂(11:40-12:30)~千防川砂防公園駐車場(13:25)

新年度から始まる月例山行の初回(4月)を担当することになった。後期高齢者2名が案内できる山といえば通い慣れた大海山位のものだ。標高324mの低山ながら毎年3月下旬~4月初旬に咲く山桜は見事だ。今年は開花が早まりそうだ。折角登るからにはぜひ山桜を見て欲しい。そこで林理事長の提案に従い、山行日を3月31日に前倒しする。

 

例年この時期はキャンパー、登山者、花見客で駐車場が混むので早目の8時に集合。メンバーは、大海山の常連仲間山口山岳会の田中さん、会員のご家族3名も加わって総勢15名の大部隊となる。その昔キャンプ場も駐車場も無く訪れる人も少なかった大海山だが、今は全国版の天気予報のサイトにも名前が載る人気の山だ。少なかった登山道もいつの間にか網の目のように走っていて、その日のコンディションに合わせ自由に周回できるのが良い。月例山行のお誘いメールの行動予定には《???コース》と記していたが、Мが出発前にその訳を説明する。参加者一人一人に国土地理院の地図と鉛筆を配り、今日歩くコースを記入して貰うためだ。名だたる(?)宇部山岳会のメンバーだ。近くの里山をハイキングだけでは物足りない筈、しっかり歩荷! しっかり読図! さぁ! 頑張って行こう!

キャンプ場を抜けて歩き始める

 

長弘さんの30Kgを筆頭に20Kg、15Kg・・・みなさん歩荷に真面目に挑戦だ。いや、私だって今日も〇〇Kg担いでいる。担ぎたくなくても、いつも自分の身体に歩荷〇〇Kgが内臓されているのだ。余分な〇〇Kgさえ無ければもっと楽に歩けるのに出発間もなくで汗をかいてしまう。急坂でも足取り軽い皆さんに遅れまいと必死に頑張り、行者山に登り着く。岩で囲まれた祠の中の3体の石仏は今日もご安泰だ。疲れ知らずの皆さんは熱心に地図とにらめっこ。ちびっこのK君、Sちゃんも元気はつらつ、気合を入れねば。

行者山に到着 現在地を地図で確認

 

行者山を出発し間もなく右折、更に左折しメインルートを外れ下って行く。大海山の常連さん以外、余り歩かない登山道は少し荒れているが、ちびっこ達は急な斜面のトラバースも難なくクリア、足を滑らさないよう必死に追いかける。

小さな沢を渡る

 

かっての畑(?)を通り抜け山桜の巨木の分岐に向かう。Мと先頭を交代し近道のため薮(大した薮でもないが)に突入、後続のK君に「大丈夫?」と声をかける。つかさず「面白い!」の返事が返って来た。さすが~、お父さんに鍛えられてるんだね。山桜の巨木分岐から30番札所へは平坦な畦道コースがある。が今日は敢えて少し登り返し、大師堂コースへと進む。明るく展望の開けた尾根上の岩場で、穏やかな瀬戸内海の景色を楽しみ一息入れよう。

大師堂コースの岩場で休む

 

岩だ、沢だ、雪だ・・・の錚々たるメンバーが揃った部隊だが、超ゆっくりの案内役ペースに合わせて貰って有難い。大師堂コースを下った所の30番札所でまたまた休憩タイム。椿の花も咲くのどかな里山風景を今日は心行くまで楽しんで欲しい。

30番札所で一息入れる

立岩コースの登山口に向かう

 

開き始めた山桜を見上げながらのんびりと歩き、立岩コース登山口に到着。いよいよ本日メインの長い登りが始まる。樹林帯の中を頑張っていると次第に展望が開け明るくなって行く。急坂なので高度は稼げるが息が荒くなる。歩荷隊、ちびっこ2人の速度が落ちないのが素晴らしい。偶には振り返って景色を眺めたいが小さな岩場続きで余裕が無い。やっと着いた最後の休憩ポイント立岩展望所では、余裕のメンバーが既に寛いでいる。ここまで来れば、山頂もあとひと頑張り。皆さんさすが~。眼下にはのどかな景色が広がっている。

立岩の展望所で一休み

我慢できない? 今日はダメ!

 

立岩展望所からひと登り、辿り着いたいつもの山頂、見慣れた景色だが何故か新鮮! Мと2人きり、無言の弁当タイムも時々あるが、今日は会の大勢のメンバーと一緒だ。

山頂で寛ぐ

 

さぁ、後は下るだけ・・・と言っても我が家にとってここからが本番だ! 下山はショートながら見どころの多いコース、通称《桜コース》を下る。10年位前だっただろうか? 地籍調査の踏み跡を地元のAさんが登山道として整備された。当初は展望も無く、暗くて心細い道だった。が今や桜のシーズンは満開の山桜を見るために多くのファンが訪れる人気のコースだ。今日はぜひ山岳会のメンバーにそれぞれ個性のある山桜達をじっくりと眺めて欲しい。

残念ながら1番人気の《令和桜》は散り始めてしまったが。

満開の令和桜 (2021年3月18日撮影)

 

《寄り添い桜》と呼んでいる桜がある。2本の大きな幹がお互いを支え合うように立っている。ところがМは「今じゃ《喧嘩桜》」と言う。朝から晩まで小競り合いの我が家、寄り添っているのではなく、バトルを繰り広げているように見えるのか? 毎年桜シーズンを締めくくるように最後に少し濃い目の花をつけるが、老年期に入ったのか枯れ枝が目立って来た。今年も間もなく頑張って優雅に咲いてくれるだろう。

楠の大木の前で

序の前桜を眺める

カシの大木の下を行く

 

出発して5時間半、千防川砂防公園に帰り着く。最後まで、ねを上げなかった歩荷組、頑張ったちびっこ、参加者全員に感謝! 有難うございました! 解散を前に大海山の詳細な登山道を記した地図を配付する。果たして読図の結果は? みんな熱心に見入っている姿に秘かに感動。

無事、出発地に帰り着く

歩いたコースを地図で確認する

 

帰宅後、参加者に歩いたトラック図を送る。休憩の度に熱心に地図を見ていたみんなの姿が思い浮かぶ。残念ながら青空バックの桜とはいかなかったが、大海山の魅力をほんの少しでも伝える事ができただろうか? 大海山大好き!の我が家にとって、本当に楽しく幸せな一日だった。

 

text斉藤(滋)
photo斉藤(宗) 斉藤(滋)