HIKING RECORD 山行記録
HIKING RECORD
山行記録
山桜咲く大海山を訪ねて(月例山行)
日付 | 2025/03/30 |
---|---|
天候 | 晴れ |
メンバー | 石井 林(竜) 林(実) 村岡 藤本 長弘 大村(聡) 大村(孝) 有松 山内 渉 斉藤(宗) 斉藤(滋) 会員外 田中(山口山岳会) 他6名 |
行程 | 千坊川砂防公園駐車場(8:00)~勘十郎岳(8:45-9:00)~中岳(9:20-9:40)~亀尾滝(10:15)~大河内溜池(10:40-11:00)~福西山からの縦走路合流~大海山山頂(12:30-13:10)~桜コース~千坊川砂防公園駐車場(14:00) |

昨年度から始まった月例山行の担当トップバッター役を今年も仰せつかる。我が家が案内できる山と言えばやはり大海山しかない。昨年はМが提案した展望が良く変化に富んだ南側のコースを歩いたが、同じコースでは面白くない。かといって北側のメイン、勘十郎岳コースは2時間で山頂に着いてしまう。会員同士の親睦も兼ねたお花見山行だ、出来るだけみんなと一緒にいたい。わざわざの寄り道、しかも悪路、少々強引な私の提案コースに中々GOサインを出さないМ、とりあえず一度歩いてみようと説得し続け・・・山行日を迎える。
ソメイヨシノのが開花し始めた千坊川砂防公園駐車場の朝8時前、参加メンバーが次々集まって来る。今年も家族で参加の人もいて嬉しくなる。無事到着か? 心配した宇部から自転車で駆けつけの石井会長、村岡さんも余裕の笑顔で安心だ。悪場で使うロープは当然のように長弘さんのザック入り。さぁ、まずは勘十郎岳目指していざ、出発!
今日の参加者は3歳~83歳(М)で80歳の私は2番目の高齢者だ。みんなのペースで歩けるだろうか? 先頭と次第に間が開いて行く。でも良かった。すぐ前にチビッ子のkちゃんが一生懸命頑張っている。大きな段差にも果敢に挑戦、すごいなぁ~、どうしようもない時はお母さんの実可子さんがよいしょと抱え上げそのままスタスタと・・・。えッ!速い! まさに母は強し!だ。おばさんも頑張って必死について行く。勘十郎岳に登り着き最初のポイント全員クリア! ひと時瀬戸内の穏やかな景色を楽しむ。
勘十郎岳西峰を下り登り返した東峰からは次の目的地溜池(癒しの池)がよく見える。チビッ子達に「あの池に行くよ。頑張ろうね」と声をかける。
次のピーク中岳に到着。再び休憩し、この後に控える本日の最大難所(オーバー?)に備える。ここから北に位置する福西山への縦走路は以前は限られていた。そのため今では気軽に歩ける福西山~大海山の縦走路は薮が濃く訪れる登山者も少なかった。20年位前、会の藪苅魔のKさんが新たなコースを作って欲しいとある人に頼まれ孤軍奮闘しておられた。この話に興味を持ったМは自分なりに勘十郎コースと福西山南麓の大河内林道上流部(亀尾滝)を繋ぐルートを開拓《スペシャル・ショート・サイトウ》からSコースと名付けた。当時Sコースと書いた蒲鉾板を下降分岐点にぶら下げたが今は無くその後のガイド本には尾根コースと紹介されている。一方、KさんはSコース分岐の西より鞍部から亀尾滝までの沢コースを完成された。両コース共当時は福西山へのショートコースとして利用されたが、その後勘十郎岳東峰~大河内林道のコースが整備され今はそちらがメインとなっている。4日前の下見で久々にSコースを歩くと荒れが酷く、転倒恐怖症の私には厳しい状態となっている。
中岳を下りSコース分岐までやって来る。小さなお子さんの為にフード付き背負子スタイルで参加の山内さんは、ここから直接大海山へ登られるそうだ。短い時間だったがご一緒でき良かった。元気に登って行かれる後姿を見送り、いよいよSコースへと踏み出す。いきなりの急下降だが転ばないよう遅れないよう必死に後を追う。やっとみんなに追いつけた・・・と思ったら何だか雰囲気が変・・・。ルートを間違えた? まさか? そんなバカな~。4日前に歩いたばかり。困惑顔のメンバーを前に一瞬頭が真っ白になる。「さっき、分岐がありましたよ」の指摘で少し引き返したМが見覚えのある岩場から手招き、ルート修正出来たものの、やはり歳の所為? 久々に大勢の仲間に囲まれての山行、嬉しくて2人共舞い上がってしまったのか! 何事も無かったように引き返してくれたメンバー、しょっぱなからすみません!
いよいよ心配だった悪場に差し掛かる。持参のロープ(縄程度)を村岡&石井ベテランコンビが手際よく張って行く。おかげでチビッ子達も難なく通過、もたついているのは自分だけ。
岩場交じりの悪路を下りきり沢(大河内林道の上部)を渡ってホッとする。気がかりの場所はもうない筈だ。溜池へと続く林の中の小さな流れを右へ、左へと渡って行くが、年少のチビッ子はさすがに無理だ・・・と思ったら逞しい林&有松パパ、なんと肩車でひょいとひとッ飛び、まるで曲芸を観ているようで拍手喝采、残念! 写真に撮れなかった。さすが、バランス感覚が素晴らしい!
目的地の一つ溜池に到着する。満水状態なら引き返すしか無いが水辺をへつれれば対岸から福西山~大海山の縦走路へと抜けられる。4日前の下見では一部泥濘はあったがヘつれたので今日も薮漕ぎなく対岸に進め、一息入れる。
溜池から福西山~大海山縦走路合流地点まで登山道は無いので(尾根伝い、又は沢伝いに歩けるが)地図とコンパスで進路を確かめ大村(孝)さんを先頭に進む(今日は尾根コースで)読図と言う程難しくはないが、地図とコンパスで歩くトレーニングは大切だ。最近大海山で知り合った日本300名山踏破をされたAさんは「金光さん(《防長山野へのいざない》著者)から読図を習ったので達成できた」と話しておられる。今はヤマップなる便利な方法もあるが、やはり地図とコンパスで歩けるよう普段から心掛けが大切と思う(歩き始めからルート間違いしたのは誰?)
藪の無い尾根道を快適に進み縦走路に合流(孝子さんお疲れ様)ここから先頭は渉さんに。しっかりした登山道だが小さなアップダウンが続くので、大海山への最後の鞍部と思われる所まで進んでねとお願いする。張り切った彼女のペースに必死について行き目的地鞍部に到着、最後の登りに備えカロリー補給をする。さぁもうひと頑張りでいよいよ山頂だ。誰が先頭を行っているのか?速い速い。岩場の痩せ尾根通過も何のその、たちまち置いて行かれる。頼りは前を行く有松ジュニアのTちゃんだけだ。段差が大きくても必死でトライ、健気さに元気をもらう。ところが間を詰めようとパパが肩車、いいペースで進んでいたのに、これまた速い速い。結構な急坂を肩車でよくまぁ・・・。
仕方なくマイペースで一人登っているとアレッ? パパが立ち止まっている。「おばちゃんが来ないから待とうと言われ」とは! ちっちゃなTちゃんの優しさにジーンと来たおばさん、山頂手前で肩車から降りていたTちゃんの手を思わず握り一緒にゴールイン。幸せ! 眼下に広がる長閑な景色を眺めつつ思い思いにランチタイムを楽しむ。
下山は昨年同様桜コースを下る。今年は開花が遅れヤキモキしたが、まるでこの日に合わせたように一番人気の令和桜が満開。合わせて椿も例年になく咲き揃って迎えてくれる。
予定の時間を上回ったが無事下山(ホッ!) 天気? 桜開花? 体力?(自分達の)と不安がいっぱいだったが、参加メンバー全員の協力(都合で参加できないとわざわざ連絡を頂いた会員のみなさんも)に支えられ、改めて連帯感を胸に刻めた一日だった。山桜で迎えてくれた大海山とみんなに心から感謝! 今日はビール(第3の)で乾杯します!
text | 斉藤(滋) |
---|---|
photo | 大村(孝) 藤本 斉藤(宗) 斉藤(滋) トラック図: 斉藤(宗) ) |