HIKING RECORD 山行記録

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山行記録

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根子岳

日付2025/05/31
天候晴れ
メンバー江本(正)、鹿野、藤本(淳)
行程鍋の平キャンプ場 5:30~西峰南尾根~日ノ尾峠ルート合流地点 8:15~ 天狗峰基部 10:40~天狗峰 12:30~日ノ尾峠 17:00~鍋の平キャンプ場 17:40
装備:50mロープ2本、登攀具、通常装備

GWに北アルプスに行く計画は天候不良で行くことができず、その後も土日の天候不良が続き、この土曜日、やっと晴れそうだったためGWの計画の代わりに熊本県の根子岳縦走(バリエーションルート)の計画を立てました。直近の予報ではさらに晴れるとのことで、期待が高まります。

前日の夜、鍋の平キャンプ場に到着。このキャンプ場は自動発券機があるため、夜遅く到着しても宿泊可能なのがありがたいです。

1.出発
4:30起床。外はすでに明るくなっていました。
朝食とテントの片づけを済ませ、5:30に出発。

鍋の平キャンプ場から出発(右正面ピークが西峰)


放牧地では、阿蘇の名物である赤牛が2頭、のんびりと草を食んでいました。
そこからすぐに山へ入り、西峰の南尾根を目指します。
尾根筋にはかすかに踏み跡があり、それを辿りながら進みます。
急斜面になっていて、キャンプ場を眼下にしながらグングン高度を上げていきます。
樹林帯を抜け、視界が開けたときミヤマキリシマでピンクに染まった阿蘇鷲ヶ峰を望むことができました。
上部は小さい峰が続き、クライムダウンと登り返しを何度も繰り返す状態に。

草を食む赤牛
尾根の登り

ミヤマキリシマに染まる阿蘇鷲ヶ峰


2.天狗峰を目指して
西峰の東側直下で日ノ尾峠からのルートと合流。
ここからはロープで確保しながら登攀とクライムダウン、切れ落ちた道を越えながら天狗峰を目指しました。

クライミングで通過

切れ落ちた道 設置のロープとカラビナで確保しながら通過

これから登る天狗峰を望む


確保してクライムダウン


3.天狗峰基部に到着
天狗峰の登攀は本人の希望によりベテランの鹿野がリードしますが、かなり苦戦している様子。
突然、「ラーク!」の声が響きました。
反射的に声のする方を見上げてしまいましたが、隣いた江本が素早く岩陰に身を隠したので、自分も慌てて岩陰に身を隠しました。幸い、岩は別方向に落ちていき、危険を回避。

鹿野の「到着!」の声が聞こえ、次は自分の番です。
しかし、足場がほとんどなく、岩も滑りやすい状態。支点のスリングを掴みながら登りました。さらに、上部で、足場が脆くなりました。そこから大苦戦し時間はかかりましたが終了点に到着。続いてアンカーの江本も到着して天狗峰の登攀は無事終了しました。

天狗峰登攀する鹿野

4.天狗峰山頂
登攀終了地点から痩せ尾根を歩き天狗峰山頂へ。
尾根上はミヤマキリシマが満開で咲き誇り、青空とのコントラストが美しかったです。
晴れた土曜日、ミヤマキリシマの見頃ということもあり、九重連山は登山者で賑わっていることでしょう。しかし、この場所は厳しい環境のため、この景色を眺めたのは自分たちだけでした。
しばし絶景を堪能したあと、下山を開始。

咲き誇るミヤマキリシマ

山頂にて 天狗のピークのポーズで


5.下山
天狗峰基部へは、2本のロープを繋ぎ、懸垂下降。まずは来た道を西峰まで戻ります。

天狗峰の懸垂下降

往路で登攀した所は懸垂下降で

往路で最初に懸垂下降した地点まで戻ってきましたが同ルートを、ロープ確保をしながら登り返すことにしました。
最後の登り返しは、出だしは手掛かりがなく、木登りになりましたが、三人は苦戦しながらも縦走路上に抜けることができました。

苦戦した最後の登り


6.ようやく合流地点へ
ようやく西峰基部の合流地点に戻ってきました。ここまできたらこの先厳しい場所はなく、その先は日ノ尾峠へ下るだけです。本来なら西峰へ登る予定でしたが、時間が足りず断念。
日ノ尾峠へ続く道は滑りやすかったものの、約30分で到着。
そこから鍋の平まで2.8kmの舗装路を歩いて下山しました。

やっと下山

ほとんどの行程で緊張を強いられる厳しい山行でしたが、天候に恵まれ、ミヤマキリシマも楽しむことができ、充実した登山となりました。
また、「ラーク!」の声が聞こえたら、反射的に岩陰へ身を隠すことが重要だと学び、貴重な経験となりました。


以上
補足)根子岳天狗峰に登る登山者向けの登山ルートはありません。旧登山ルートの日ノ尾尾根ルートは通行不可(登山ルートとして通行を推奨しない)となっています。

text藤本
photoトラック図;藤本、写真;藤本・鹿野