HIKING RECORD 山行記録

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吉和冠山(県岳連冬山講習会に参加して)

日付2024/01/28
天候曇り後雪
メンバー江本  林(竜)  藤村  長弘  斉藤(宗)  斉藤(滋)
行程潮原温泉近くの駐車地(6:50)~タイヤ工場(7:10)~林道出合(8:20-8:30)~冠山山頂(10:35-11:45)~林道出合(13:10-13:25)~潮原温泉近くの駐車地(14:20)

昨年に続き、今年も県岳連冬山講習会に参加申し込みをする。数年前まで比婆山で年越しをしていたので、初登りはいつも雪山だった。だが《ひろしま県民の森》の閉鎖で宿を失い、次第に雪山から遠ざかってしまった。若い時のように雪中テント泊は到底無理だが日帰りでもいいので、せめてシーズン中に2~3回は雪を踏んで歩きたい。その点、冬山講習会は我が家にとって格好のチャンスだ。今年も冠山で開催されるとの事、皆さんと同じペースでは歩けないが《登頂》目指して頑張ってみよう。

 

ようやく明るくなった潮原温泉近くの駐車地に到着する。昨年は色々な事情が重なって不覚にも大遅刻してしまった。今日は満を持して早起き早発ちを心掛けた結果、まだ皆さんは到着しておられないようだ。登山口近くのタイヤ工場前まで車を乗り入れるかどうか迷ったが、ウオーミングアップを兼ね歩く事にする。路面を覆った雪でスリップ転倒しないようモタモタ歩いていると何台もの車が追い越していく。タイヤ工場迄やって来ると、各山岳会の皆さんが出発準備をしておられる。挨拶を交わしながら通り過ぎ一足お先に林道を歩き始める(すぐに追い越されるだろう)

 

林道終点で橋を渡ると長くて単調な沢沿いの登山道が続く。間もなく目にした朽ちかけた橋は、かって歩いた国体コースへの橋? 雪を被っていなくても怖くて渡れそうにない。若い頃(今より)無雪期にも積雪期にも登ったり下ったりした国体コースだが、今はどうなっているのだろう? 最後に歩いてから15年以上・・・コース中の光景が、こま切れに浮かんで来る。最近はどこの山を歩いても、昔歩いた(今では歩けそうにない)コースの情景が思い出され、もう一度チャレンジしたい!と思うのだが、 いや、無理だ・・・の繰り返しだ。

 

もうそろそろ・・・と思っていたら、やはり後続パーティーが現れる(ここまで追い越されなかったとは意外、結構頑張ったんだ)どこの山岳会かな? 「おはようございます!」とよそ行きの声で挨拶しながら避けると、なぁんだ我が会の仲間ではないか。江本、林、藤村、長弘の錚々たるメンバーが一団となってカッコよく通り過ぎて行く。Mが後を追うように付いて行きかけるが無理、無理 「頂上で待ってます!」の言葉を残し、見る見るうちに遠ざかって行く。慌てて構えたカメラを覗いても姿は無い。

(写真01 汐谷沿いを行く 精鋭部隊に追い越される)

 

 

沢を渡り、林道に出た所で山口山岳会の皆さんが登って来られた。大海山の常連仲間の田中さんがYさんを紹介してくださる。会のホームページに掲載された我が家の四国山行(剣山~三嶺~天狗塚)報告を見てくださったようで、親しく声をかけて頂き感激、(腰痛でへばったМはしきりと恥ずかしがっている)内容的に散々だった山行の報告なのに、いつかご自分も歩いてみたい・・・と思ってくださった事が嬉しい!田中さん、有難う! これだけで、朝早く起きて参加した甲斐がありました。

 

ゆっくり、のんびりペースながら国体コースとの合流地点まで登り着く。距離的には登山口から山頂までの4分の1程度も残っていない筈だが疲れて来た。スローがさらにペースダウン、少し休むとしよう。距離は短くてもここからが正念場! 山頂直下の急坂が待っている。エネルギーを補給したらさぁ、行進再会だ。平坦な小ピークを乗越し緩やかに続く先行者の跡を辿っていると、元気なパーティーが次々と追い越して行く。そういえば、この辺りだったかな? 昨年、無念のリタイヤを決めたのは。大遅刻で出発したものの、どうにかなると思っていたが、帰路の余力を残しておきたいと言うМの考えに従い登頂を諦めた。(後で分かった事だが、大量の積雪で先行部隊も苦戦し、もう少し頑張っていたら最後尾が見えただろうとの事だった)

(写真02 昨年のリタイヤ地点辺りか?)

ドンドン置いて行かれると思っていた他パーティーも急坂の直登に苦戦か? 視界に残っている。それでも間は開いて行くばかりだ。せっかく、つけて貰った階段だが、高~い!! 年と共に身長がドンドン縮んでいるが脚が短くなっていっているのか? たわない! 無理もない。元気な人がつけた階段、きっと脚も長いのだろう。「たわなきゃ間にキックして自分でステップを作れ!」とМは簡単に言うが疲れてそんな元気は無い。それどころか油断すると足元が疎かになり踏み抜き転倒、もがいても中々脱出できない。救出どころかシラーと見守るМに「もう止めた! ここから帰る」と心にも無いセリフを吐くと 「止めたらだめですよ、山頂はもうすぐそこですから」とすぐ傍から声がかかる。以前県岳連の安全登山講習会でシルバコンパスの使い方の講師をしておられたHさんだ。すみません。本気で心配してくださっているようだ。

(写真03 山頂手前の急坂を登る)

どうにかこうにか山頂まで登りきる。昨年の無念をなんとか晴らす。我が隊のテントに行き「宇部山岳会の精鋭部隊がそろったね~!」と言うと「・・・・・・・・」と笑顔だけが返ってくる。みんな正直。「もう、ヨレヨレです」と本音を吐くと藤村さんが「ここまで登っただけで十分です」 その一言で疲れが一気に吹き飛んで行く。山頂を取り囲むブナの霧氷、久しぶりの光景にしばし見とれながら、講習会が始まるまでにと行動食を口にする。県岳連の行事以外ではめったにお会いする事のない懐かしいお顔もチラホラ、頑張って登って良かった1

(写真04 無事登頂!)

講習会が始まる前に記念写真に納まる。以前、雪が降りしきる中での講習に震え、М作の古いシュラフカバー改良のポンチョで寒さをしのいだが、持参したものの今日は思ったより暖かい。講習会はツエルトの張り方を皮切りに始まる。江本、林の両会員は講師として大忙しだ。

(写真05 講習開始の挨拶)

 

(写真06 講習光景)

 

(写真07 講習光景)

講習項目は他にも沢山あるが、我が家は過去何度か受講しているので(習得?)許可を得て、一足先に下山を始める。最大の理由はもちろん、帰路の体力不足を心配しての事だ。皆さんより大幅に遅れれば、迷惑をかけてしまうだろう。出発の時「急な所もあるので気をつけて」と藤村さんから声がかかったが有難い事だ。怪我しないよう安全第一で行こう。チェーンスパイクもワカンも出番のないままだが、誰も踏んでない雪面を選んでは下って行く。雪山での一番の楽しみだ。

(写真08 銀世界を下る)

 

(写真09 雪山の楽しみ!)

国体コースとの合流地点まで下り少し安堵する。

(写真10  国体コース合流地点に立つブナ)

林道まで下って一息つく。何処からともなく現れた男性(?)聞くところによると、福岡の方で大山登頂の帰りフラっと寄ってみたとの事。「この林道は?」と話題になるが我が家にも分からない。ここに来るたびにいつも気にしつつ調べてはいない。かなり前、タイヤ工場を出発してすぐ左に現れる《魚切林道》から冠山に登ったが繋がっているのだろうか?

歩けば長そうで疑問は未解決のままだ。今日はここまでと挨拶をされ、男性はアッという間に姿が消えてしまったが、我が家はそうはいかず下りも時間がかかってしまいそう。(Мの話によれば、林道は魚切林道の延長らしい)

(写真11 林道で出会った男性と情報交換)

車まで帰り着くと小雪がチラホラ舞い始める。無事下山を連絡し一足先に帰路につく。

 

《冬山講習会》

参加といいながら結局、登頂だけでいっぱいいっぱい・・・それでも思いがけず声をかけて頂いたり、いつも絵手紙を送ってくださるYnさんにもお会いできた。苦戦はしたが嬉しい一日だった。来シーズンから《講習会→交流会》との事だ。 参加できるかどうか???だが、来年もあの幻想的な霧氷の世界に出会いたい。

text斉藤(滋)
photo斉藤(宗)  斉藤(滋)